設立趣旨書
ホスピス緩和ケアは、ヨーロッパのホスピスにその歴史的な起源を持ち、20世紀後半から国や社会体制の違いを越えて全世界に広がり、
生命を脅かす疾患に直面する患者とその家族のQOL(人生と生活の質)の改善を目的とし、
保健・医療・福祉の専門職とボランティアがチームとして提供するケアとして発展している。
わが国では1991年5月、全国のホスピス・緩和ケア病棟が集まり、ホスピス緩和ケアの質の向上及び啓発、普及を目的に
「全国ホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会」が設立され、本格的な実践の時代に入った。
この連絡協議会にはわが国のホスピス・緩和ケア病棟の殆どが会員として参加した。
2004年7月、「全国ホスピス・緩和ケア病棟連絡協議会」は病院で活動する緩和ケアチームが健康保険で認められたこと、
ホスピス緩和ケアが病院のみならず在宅医療として地域で提供されるようになってきたこと、等の理由から、
その名称を「日本ホスピス緩和ケア協会」(以下、当協会)と改称した。
当協会は、この間の活動を通じてこれからのホスピス緩和ケアはその対象が悪性腫瘍・後天性免疫不全症候群の末期状態のみならず、
それらの疾患が診断された早期から終末期までの全経過に必要なケアであり、さらに、今後悪性腫瘍・後天性免疫不全症候群以外の
生命を脅かす疾患に対象が広がるとの認識をもつに至った。
そこで、当協会は、多くの生命を脅かす疾患に直面する患者とその家族のQOLを向上させるために、広く保健・医療・福祉関係者に呼びかけて、
ホスピス緩和ケアの質の向上及び啓発、普及を目的とした特定非営利活動法人を設立して活動することとした。
特定非営利活動促進法に基づく法人格を取得することにより、当協会は活動を更に拡充し、国内外の関連諸団体との連携協力を行い、
わが国におけるホスピス緩和ケアの健全な発展を図り、国民の保健・医療・福祉に寄与することを目指す。
平成19年 7月15日
特定非営利活動法人 日本ホスピス緩和ケア協会
設立代表者 山ア 章郎