理事長メッセージ

理事長再任にあたって

NPO法人 日本ホスピス緩和ケア協会
理事長 志真 泰夫

 2012年9月1日に開催された第13回理事会において、理事の方々から理事長に推挙されました。 これは、引き続き理事長として、さらに2年間、協会発展のために力を尽くすようにという皆さんのご意志だと受け止めて、この大役をお引き受けすることとしました。 わたしは2年前の理事長就任にあたって、協会の5つの事業を「選択と集中」の原則に基づいて整理したいと提案して、 「緩和ケア、とくにホスピス・緩和ケア病棟における質の保証と向上事業」と「教育研修事業」に力を集中してきました。
 「質の保証と向上事業」については、評価委員会の下に3つの部会(緩和ケア機能評価部会、緩和ケアの質に関する調査部会、 質向上のためのプログラム開発部会)を置いて進めてきました。幸い、各部会のメンバーの努力で「協会加盟施設による質の自己評価の試行」、 「臨床指標調査の試行」、「質向上のためのプログラムの試行」までこぎ付けることが出来ました。2013年度にこれらの事業の本格施行をめざします。 さらに、その先2013年度には「ホスピス・緩和ケア病棟の質の保証制度」の提案ができるように準備を進めたいと思います。
 「教育研修事業」については、教育支援委員会の下にやはり3つの部会(医師教育支援部会、看護師教育支援部会、MSW教育支援部会)を設けて、進めてきました。 医師に対する教育は、「緩和ケア病棟における医師研修指導指針」を公表して、緩和ケアを専門とする医師の人材育成の第1歩を踏み出せたと考えます。 今後は、日本緩和医療学会とも協力して専門性の高い医師の人材育成を進めたいと考えています。 看護師に対する教育は、「看護職教育カリキュラム」の改定作業を進めているところです。また、MSWの教育研修については、教材の作成等を着実に進めています。
 さらに、特筆すべきはこの2年間で健康保険・介護保険検討委員会のメンバーの努力で「介護保険改定に向けた提言書」「健康保険および診療報酬改定に向けた提言書」 という2つの提言を厚生労働省に提出できたことです。これは、今後の協会の政策提言の足掛かりになる重要な出来事でした。
 これからの2年間は、「質の保証と向上」「教育研修」に加えて「組織と財政の改革」に取り組みたいと考えています。 協会として中期長期の事業計画を作成し、組織的かつ財政的に安定した運営ができるように体制整備を図りたいと思います。 また、国の政策として在宅ケア、在宅医療の体制整備が動き出そうとしています。 協会として「在宅ホスピス緩和ケア」をどう普及してゆくか、ということについて本格的に検討すべき時期に来ていると考えます。 これについても中期長期の課題として取り組みたいと考えています。
 最後に、これらの事業を進めるためには「協会会員施設の若い力と協会外の力」を活用することがぜひとも必要です。 次の時代を睨んで、倦まず弛まず努力を継続してゆきたいと思います。

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日本ホスピス緩和ケア協会

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