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ホスピス緩和ケアをご利用の方へ

ホスピス緩和ケアとは

緩和ケアの今 あたり前医療への脱皮(8)

がん以外の患者に提供例も―制限があるのが実情
 この連載の最初に、世界保健機関(WHO)によって、緩和ケアの新しい定義が「生命を脅かす病気によって起こる問題に対処する」と変更されたことを紹介しました。前回までは「がん」の緩和ケアがどうなっているかを書いてきましたが、生命を脅かす病気はがんだけではありません。がん以外の病気に対する緩和ケアは、どうなっているでしょう。
 がん以外の命にかかわる病気は、たとえば肺の病気や心臓の病気、脳卒中、神経の難病などがありますが、これらによって起こる問題に「緩和ケア」として対応している病院は多くありません。それはなぜでしょうか。
 一つは認識の問題です。一九九〇年に緩和ケア病棟が制度化されたとき、緩和ケアの対象は「がんまたは後天性免疫不全症候群(エイズ)の患者」が想定されていました。この両者で比べると、がん患者の方が圧倒的に多いため「緩和ケアはがん患者に対して行うもの」という認識が広く定着しました。
 もう一つはスタッフ数の問題です。新しい定義を拡大解釈すると、緩和ケアの対象になる患者数は際限なく膨らみます。現在の大変少ない緩和ケアスタッフで対応するには、ある程度の制限を設ける必要があるのです。
 しかし、がんやエイズでなくても緩和ケアが役に立つ状況の患者はいます。厚生労働省の緩和ケアの基準を詳しく読むと、そのような人に対して緩和ケアを提供してはいけないという決まりはありませんし、最近は学会でも神経の難病や、がんでない人の慢性の痛み治療など、がん以外の患者に緩和ケアを提供した報告が出されています。
 多くの医療現場で「がんでなければ緩和ケアは受けられない」という固定観念は外して、臨機応変に対応できるようになるといいと思います。
 エイズに関しては、この十数年で治療が大きく進歩し、診断が大幅に遅れない限り、そう簡単に命が奪われる病気ではなくなりました。また、エイズ診療の拠点となる「エイズ拠点病院」が全国的に選定されてきたため、拠点病院で治療を続けることが多くなっています。
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