ホスピス緩和ケアとは
緩和ケアの今 あたり前医療への脱皮(7)
自宅でも受けられる支援体制の構築急務
家で過ごしながら受ける緩和ケアを「在宅緩和ケア」や「在宅ホスピスケア」などと呼びます。将来的にはどこの地域でも十分な在宅緩和ケアが受けられるべきですが、まだそのような地域は限られています。がんを抱えて家で過ごすには、いくつか条件があります。本人が家にいたいと希望していること、家族もそれを理解していること、落ち着いて家にいられる状態であること、家族などまわりの人手が足りていること、緊急の場合には二十四時間対応し、さらに必要なら入院できる医療体制があること、などです。
厚生労働省も在宅緩和ケアを充実させる方向で考えており、昨年四月にも二つの制度変更が行われました。介護保険は六十五歳未満は使えませんでしたが「末期の悪性腫瘍」という条件つきながら四十歳から使えるようになりました。また「在宅療養支援診療所」という制度も設けられました。
在宅療養支援診療所は、在宅患者に二十四時間体制で対応する診療所で、全国に一万カ所以上あります。しかし在宅緩和ケアを受けるのに、支援診療所ならどこでもいいわけではありません。ほとんどの状況に対応できる高い緩和ケア力を持つ診療所もありますが、一般の在宅高齢者が対象で緩和ケアはしていない診療所もあるからです。
現在はまだ、どの診療所がどれだけの緩和ケア力を持っているかという情報はどこにもありません。それどころか、どこが支援診療所であるかという情報も簡単には得られないのが現状です。このままでは非常に活用しにくいので、なるべく早く情報を整理して提供すべきだと考えています。
さまざまな調査に寄ると、がんで命にかかわる状態になったとき、可能なら自宅で過ごしたいという人の数は、私の知る限りでは必ず半数を超えています。そこで多くの人が条件にしているのが「痛みがなく、楽に過ごせるなら」ということです。そのためには、それぞれの医療機関が緩和ケア力をつけていくことと、地域の中のどこにどれくらいの緩和ケア力があるかという情報のネットワークを作ることが急務です。
