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ホスピス緩和ケアをご利用の方へ

ホスピス緩和ケアとは

緩和ケアの今 あたり前医療への脱皮(5)

医療機関ごとに違いが―入院費は定額制
 今回は緩和ケア病棟についてのお話です。文字通り、入院して緩和ケアを受けるための病棟のことです。日本には二〇〇七年一月一日現在で百六十三施設、三千百余りのベッドがあります。
 どこの病棟でも必ず行うのが症状の治療です。中でも痛みの治療は最優先で行い、モルヒネを含むさまざまな痛み止めを駆使して痛みを取り除きます。難しい痛みには緩和ケアならではの専門的な痛み治療を行います。
 以前、緩和ケア病棟は「命の終わりまでの時間を、痛みを取って療養する場」というイメージでしたが、現在はさまざまな性格の緩和ケア病棟があります。
 ベッド数に余裕があれば、比較的ゆったり療養する病棟になります。がんの積極的治療を行う病院では、治療をしながら体調や症状を改善する役割も担います。人生の最後まで入院するのが当たり前の病棟もあれば、頻繁な入退院が当たり前の病棟もあります。
 増えてはいるものの緩和ケア病棟はまだ不足しており、多くの病院で入院には条件があります。条件の例としては(1)命の残り時間がおおよそ三カ月以内 (2)告知を受けている (3)痛み等の症状がある (4)積極的治療はしないと決断している、などです。
 このうち(4)は、新しい緩和ケアの定義とは明らかに矛盾します。これが残っている病棟が多いのは、旧来の定義の影響のほかに、医療費の計算方法にも理由があります。
 緩和ケア病棟の医療費は「定額制」で、治療内容に関係なく一日三万七千八百円です。かかった費用を積み上げる「出来高制」とは異なり、この額で検査や治療を含むすべてをまかなうのが原則で、値段の高い抗がん剤などを使うと経営が成り立たないのです。
 「お金持ちでないと入れない」というのは、大きな誤解です。三割負担の患者が一月入院すると自己負担額は月合計三十数万円になりますが、そのうち一定額(通常約八万円)を超えた額は高額療養費制度により、他の医療費と同様に戻ります。
 このほかに差額ベッド代はかかりますが、緩和ケア病棟には国の定めにより差額のないベッドが必ずあります。
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