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緩和ケアの今 あたり前医療への脱皮(2)

進行がんで生じる「痛み」―患者は高齢化で増える
 これから数十年の間に緩和ケアを必要とする人の数は急速に増えると予測されています。今回は、日本に緩和ケアを必要とする人がどれだけいるかを考えてみます。
 がんが一九八一年に日本人の死亡原因の第一位になって以降、常に一位であり続けています。現在では死亡者全体の約三分の一を占めています。
 新しい緩和ケアの定義では、緩和ケアを受ける人が末期である必要は全くありません。しかしがんによる問題点の代表格である「痛み」を例に取ると、早期がんで痛みのある人はほとんどいないのに対して、進行がん以降では七割以上の人に痛みが生じます。進行がん以降の人の方が、緩和ケアを必要とする割合が多くなるということです。
 日本全体で考えると、毎年、新たに進行がん以降の状態になる人が三十二万人以上います。そのうちの七割以上の人に痛みがあるということは、毎年二十二万人以上の人が、がんによる痛みを新たに抱える計算になります。
 もっと小さい単位で考えてみると、たとえば人口一万人の町では毎年約二十人が、五万人の市では約百人が、新たにがんによる痛みを感じることになります。
 がんは年齢が高くなるほど増える病気です。日本のがんによる死亡の割合が高いのは、日本が世界一の平均寿命を誇る国であることが大きく関係しています。
 これから団塊の世代が高齢者と呼ばれる年齢層になれば、日本全体でがんと診断される人の数も増加します。また現状ではがんと診断される人の約半数が進行がん以降へ進むので、緩和ケアを必要とする人も、がんによって命が終わる人も当然増えるでしょう。
 二〇三〇年には日本の死亡者数も、がんによる死亡者数も、現在の約一・六倍に増えると予測されています。そうなると、緩和ケアを必要とする人の数も現在に比べて格段に多くなります。
 別の予測では、女性が一生のうちにがんと診断される確率はおおよそ三分の一、男性は二分の一とされています。がんと診断されたときに、住んでいる地域の中に緩和ケアを受けられる体制があるのとないのでは、安心が大きく違ってきます。
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